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がん報道 検証が必要 [胃ガン-胃全摘]

 先週の新聞に気になった記事がありました。
 がんについてのマスコミ報道はがんに対する「不適切な楽観的見解」を助長している、とのことです。
 マスコミではありませんが、私を含めてブログを書いているがん患者さんもたくさんおられます。
 これも、ブログを書ける、またブログを書こうとする意欲を持つまで体調が戻った患者さんが書いているもので、その陰には、苦しんでおられる方もたくさんいるはずです。ブログを持っていて残念ながら亡くなってしまった方も見られますが、長く生きれば生きるほど記事数も多くなるわけで、その結果、がん患者さんのブログを検索すると長生きしている方のブログを目にする確率も高くなるわけです。それで、がん患者さんの実情と違った印象を持ってしまう可能性も多いにあると思います。
 たくさんの情報があふれていますが、受け取る側もいろいろな背景を考慮して情報を読み取っていかなければなりませんねぇ。

↓クリックすると拡大します。
朝日新聞2010年平成22年5月17日夕刊3面やさしい医学リポートがん報道検証が必要
 がんについてのマスコミ報道は多く、市民の関心も高い。しかし、報道の多くはがんに対する「不適切な楽観的見解」を助長しているという研究が内科学アーカイブス電子版に3月掲載された。
 研究は、米国で発行部数の多い新聞8紙と雑誌5誌に2005~07年に掲載されたがんの記事436件を選び、内容を分析した。
 患者の「生存」(患者が生きていることや治ったこと)を伝える記事が32.1%あったのに対し、「死亡」(患者が亡くなったことや末期がんとの診断を受けたことなど)を伝えたのは7.6%にとどまった。173件の記事で患者216人の生死を伝えているが、このうち78.7%の人が生存、21.3%の人が死亡していた。
 また、手術、抗がん剤などの積極的治療が失敗する可能性を伝えたのは記事全体の13.1%、治療の有害作用の可能性について伝えたのは30.0%にとどまった。
 さらに、積極的治療だけを伝えた記事が57.1%に及んだのに対して、終末期ケア(ホスピスや緩和ケア)だけについて伝えたのは0.5%しかなく、積極的治療と終末期ケアの双方を伝えたのも2.5%しかなかった。
 著者らは、ホスピスや緩和ケアが患者や家族にとって有益だと分かっていることを考えると、これらに対する報道が少ない点は問題だとしている。また、米国のがん患者の半数が死亡する現状で、こうした偏った報道が、がんの治療効果や経過について、不適切な楽観的見解を患者に与える可能性があると結論付けている。
 日本のがん患者の5年生存率は54.3%(地域がん登録資料による)なので、患者の半数が死亡する現状は米国と変わらない。一方、日本のマスコミ報道の状況はどうだろうか。がんはもはや治るのが当たり前で、そうでなければ医師か治療法に問題があると考え、根拠のない代替療法に頼る。そうした「不適切な楽観的見解」を広める役割を果たしていないか、検証が必要だろう。
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まめ助の母

ホスピスの存在は建築の仕事をしていて知りました
なかなか一般の方が見学したりする機会はないようですよね
少ない分今のマスコミのような報道をすると反響が怖い気がします

もっといい報道のしかたってないのでしょうか?
by まめ助の母 (2010-05-27 22:14) 

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