遺伝子検査@イリノテカン投与：マイルの徒然記：SSブログ

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遺伝子検査@イリノテカン投与　[胃がん再発転移] [編集]

　胃がん再発に伴う抗がん剤治療のサードラインとしてイリノテカンを用いていますが、この治療を始める前に遺伝子検査を行いました。これについて触れていなかったため、病院から頂いた資料を置いておきます。

　要するに、イリノテカンの活性本体（SN-38）を分解する酵素が普通に働く人は副作用（白血球減少など）が出にくいのに対し、10人に2人くらいの割合でその酵素活性が弱い人がいて、そういう人はSN-38が長期間体内に留まるため副作用が出やすくなるということです。その酵素を規定している遺伝子を検査することで、酵素活性を推定することができるため、遺伝子検査が行われます。
　この検査は、病気になりやすいかどうかの遺伝子を調べるものではありません。

　ちなみに、私は酵素活性が普通に働くタイプ（多数派のほう）でした。

「UDPグルクロン酸転移酵素（UGT1A1）遺伝子多型検査」に関する説明文書

1.はじめに
　イリノテカンはあなたの病気に対し一般的に用いられるものですが、10人に2人くらいの割合で強い副作用（白血球減少など）が出ることがわかっています。
　例えば、お酒に強い人と弱い人がいますが、これらの体質はある酵素の遺伝子により決められています（参考資料）。同じようにイリノテカンという薬の場合も、遺伝子によって副作用が強く出る人と弱く出る人があります。
　最近、UDPグルクロン酸転移酵素（UGT1A1）という酵素の遺伝子を調べることで、この薬の副作用が出やすい体質を持つ人を見つける検査が開発されました。この検査は、あなたに合った治療法を決めるためにとても重要なものですが、遺伝子を調べる検査であるため、十分にご理解していただいてから検査を行う必要があります。

2.検査の目的
　イリノテカンの副作用（白血球減少）に関連しているUGT1A1という酵素の遺伝子を検査し、副作用が出やすい体質かどうかを調べます（参考資料）。その結果に応じてイリノテカンの投与量を調節し、強い副作用を避けることを目的としています。なお、この検査は、病気になりやすいかどうかの遺伝子を調べるものではありません。

3.検査の方法
　一般的な方法で、3mLの血液を採取（採血）します。その後、あなたの血液からDNAをとり、遺伝子の検査を行います。この検査は、血液型のように一生変化しない遺伝子の型を判定するものであるため、一生に一度検査すれば十分なものです。

4.検査結果の報告
　原則としてあなたに検査結果をお知らせします。もし検査結果を知りたくないとお考えの場合は、担当医までお知らせください。

5.予想される結果と被験者の利益及び不利益
①検査結果と検査の限界
　この検査の結果は、血液に対する副作用（白血球減少）を避けるための重要な情報となります。この検査結果と他の検査結果、及びあなたの体調などをもとに、担当医とあなたが話し合った上で、適切な治療法を決めることになります。
　なお、薬の副作用は種々の因子が関与しているため、この検査によってイリノテカンの副作用を完全に無くすことはできません。この検査で副作用が出にくい体質とわかった人では、イリノテカン投与により8割程度の人に重篤な白血球減少を認めないことがわかっています。一方、この検査で副作用が出やすい体質とわかった人では、8割程度の人に重篤な白血球減少が起こります。
②利益及び不利益
　重篤な白血球減少が高率に起こる患者さんを特定することができるため、そのような患者さんでは通院回数を治療初期に増やすなど対処することにより、重篤な細菌感染を回避することができる可能性があります。この検査の対象となる遺伝子（UGT1A1）は、一部の体質性黄疸にも関わっています。従ってこの検査により、一部の体質性黄疸に関わる遺伝子も調べていることになりますので、ご理解下さい。

6.検査に伴う危険性
　一般的な方法で、3mL程度の血液を採取（採血）するだけで検査できますので、通常の採血による危険性と同じです。

7.費用
　この遺伝子検査は保険診療として認められています。3割負担の場合は、自己負担が6000円（本検査費用のみ、2009年3月現在）となります。

8.検査を行うことの自由
　この遺伝子検査を行うかどうかはあなたの自由意志であり、またいつでも同意を取り消すことができます。もしこの検査を受けなくても、当院ではあなたにとって最適と考えられる治療を行います。

不明な点は、主治医へご相談下さい。

2012-01-14 03:00 nice!(81) コメント(3) トラックバック(0)
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