おもしろ指標(3)

　おもしろ指標(1)、(2)の続きです。朝日新聞の夕刊に載っていた記事になります。

おもしろ指標③　ヤンキース優勝が刺激？
 Q 日米のプロ野球はそれぞれ優勝チームが決まったね。スポーツと景気などの関係はあるのかな？
 A 三井住友アセットマネジメントの宅森昭吉チーフエコノミストは長年そこに着目している。例えば、米大リーグ。今年のワールドシリーズは松井秀喜選手が所属するニューヨーク・ヤンキースが制覇したけど、ヤンキースの成績と米国の経済成長率に関連性が見られるということだ。
 Q どんな関係？
 A 73～08年の間に、ヤンキースが所属リーグで優勝したのは計10回。その10年分の米国の実質経済成長率の平均を出すと、ざっと4%近くとなり、この間の成長率の平均より約1ポイントも高いんだ。
 Q なぜ？
 A ヤンキースは米国を代表する名門チーム。そこが優勝することによって米国の経済の中心地ニューヨークも活気づき、経済活動をいっそう活発化する、と思われている。
 Q 日本のプロ野球はどうなの？
 A 「巨人が優勝した年の日銀短観はよくなる」という傾向がある。日本銀行が発表する企業短期経済観測調査（短観）の指標で大企業・全産業の業況判断指数（D1）の改善幅を見ると、巨人が優勝した年（短観は11月または12月分）は、ほかのチームの優勝時に比べてよいという傾向があった。ヤンキースと巨人は似ているのかもね。
 Q でも、両チームとも優勝した今年の経済はまだ低迷しているけど。
 A あくまでも過去の傾向だからね。ただ、宅森さんは「身近なデータは、経済を分析する『補助信号』。参考にしないより使った方がはるかによい」と話しているよ。